磐余稚桜神社(桜井市 池ノ内)

 桜井市池ノ内の集落の東の小高い丘陵上に鎮座する式内社で履中天皇磐余稚桜宮跡という伝承もあります。祭神は 出雲色男命 (いずもしこおのみこと)、去来穂別命 (いざほわけのみこと)、気息長足姫命 (おきながたらしひめ)春日造の本殿向かって右に高麗神社、左に天満神社の境内社が鎮座、前に神門と切妻造の拝殿があります。創祀年代は不詳です。

  堀井孝昭著の「わがまち桜井」によりますと「・・・・この神社は小高い丘陵にあり、ここから西北にのびる低い丘陵の上に、桜井市池ノ内、橿原市東池尻町の集落があります。この丘陵の先端部を断ち切って戒外川(米川)を流し、その西方の字「島井」という地名があり、北方には「樋ノ口」「樋詰」「堀切」「池尻」など池の所在を示す地名が残されています。すなわちこの池は若桜神社と御厨子(みずし)神社の両給丘陵をうまく利用し、この丘陵の間約250mに堤を築いたと考えられ池の面積は現在、奈良県で最大といわれる、倉橋溜池に匹敵すると思われます」とあります。近年の発掘調査でも池の堤跡などが見つかり、この池が古代史に登場するも、今まだ所在が確認できない磐余池の可能性が出てきています。 周辺には池ノ内古墳群や御厨子観音など旧跡も多く散策しながらロマンを膨らませるには絶好のエリアかもしれません。