吉隠(よなばり) (桜井市 吉隠)

  「吉隠」と書いて「よなばり」と読みます。この字名をすぐ読める方は、きっと万葉集がお好きな方に違いありません。吉隠は桜井市の東端の宇陀市との境に位置する、渓谷の集落で元々兎田領(宇陀地方)であった為、方言等はやや宇陀の文化圏に近い環境にあります。吉隠は万葉集に数首、詠まれています。中でも、穂積皇子が最愛の人、但馬皇女を偲んで作った万葉集、巻2の「降る雪は  あはにな降りそ吉隠の  猪養の岡の 寒からまくに」は万葉集ファンにとってたまらない魅力を持った名歌です。

以前JRまほろば線の万葉列車にもこの歌が・・・
以前JRまほろば線の万葉列車にもこの歌が・・・

 またこの地域は非常に古墳の少ない所ですが、宮内庁管轄の陵があります。国道165号線から約700mほど登ったところに万葉歌人としても知られる志貴皇子(のち追尊して春日宮天皇)の妃、紀橡姫(同様に追尊して春日宮天皇妃)の陵です。径20m前後の円墳と思われますが詳細は不明ですが「降る雪は・・・」を詠った但馬皇女ではないかという説もあります。吉隠は棚田の美しさでもよく知られますが、大和路の写真家、入江泰吉氏も吉隠の棚田に降る雪を題材に名作を残しています。


吉隠区・「吉隠米」ブランド化推進プロジェクト会議でつくられた「吉隠の歴史名所めぐり」です

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吉隠(表紙・裏表紙)
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