21.夕されば小倉の山に・・・

夕されば 小倉の山に 

 

臥(ふ)す鹿の

 

今夜(こよい)は鳴かず 

 

い寝にけらしも

 

万葉集巻9-1664 

         大泊瀬幼武(雄略)天皇

 


歌の意味

夕方になると、いつも小倉の山で寝る鹿は今夜は嗚かない。してみると多分もう寝入ったらしい。 

☆妻をもとめて呼び合う鹿も、今宵は恋しい妻に逢えて寝たらしいと、鹿の喜びをともによろこぷ気持ちのあらわれた歌である。 

 

大泊瀬幼武(雄略)天皇 

五世紀後半の英雄。允恭天皇の第五子。第二十一代天皇。毋は皇后忍坂大中姫(おしさかのおおなかつひめ)。  

揮毫者 平沢 興

 

昭和時代の医学者、新潟県出身。専門は神経解剖学。京都大学16代総長も務めた。 

 

歌碑の場所 21番

春日神社と朝倉小学校の間、三輪山に通じる杣道の始まる角に建つ。