12.古の人の植えけむ・・・


 古の 人の植えけむ 杉が枝に

 

 霞たなびく 春は来ぬらし 

                            

    万葉集 巻10-1814 徳川 宗敬

 


歌の意味

昔の人が植えたという杉の枝に霞がたなびいていることだ。春はやって来たに違いない。

 

万葉の人々が、「磯城島の大和の国」を始めた人たちのことを思い描いて作ったのが、この歌であろう。

 

 柿本人麻呂

 飛鳥時代の代表的な歌人。後世、山部赤人とともに歌聖と呼ばれる。人麻呂は巻向山麓の里に愛する妻が住んでいたために、この付近の自然を歌った作品が多い。 

 揮毫者  徳川宗敬

 

昭和期の華族(伯爵)。貴族院最後の副議長をつとめた。

 

歌碑の場所 12番 

桧原神社拝殿南、山の辺の道の脇、山茶花の低木に隠れるように碑は西面している