43.ぬば玉の夜霧ぞ立てる・・


ぬば玉の 

夜霧ぞ立てる 

衣手(ころもで)の 

高屋の上に 

たなびくまでに

 

万葉集巻9-1706

   舎人皇子(とねりのみこ)


 歌の意味

夜霧が立ち込めてきた。高屋の上にたなびくほどに。

 

☆この歌は、作者、舎人皇子が都のあった飛鳥から東にある高家(たいえ)の方を見て詠まれたものであろうか。「高屋」は現在の桜井市高家ではないかと言われる。

 

舎人皇子

天武天皇の第三皇子。母は天智天皇皇女の新田部皇女(にいたべのひめみこ)。日本書記の編纂の総師。万葉集には三首の歌を残す。天平七年(735念)没。 

揮亳者 熊谷 守一(もりかず)

岐阜県生まれ。明治・大正・昭和期の洋画家、水墨画。書もよくした。

歌碑の場所 43番 

高家(たいえ)集落の坂道を登りきった上高家の民家(栢木家)の門構えの横に南面して建つ。