景行天皇陵(渋谷向山古墳)

第12代景行天皇の陵墓とされ、宮内庁で管理され周辺の古墳3基が陪塚に指定されています。幕末の文久の修築事業中に崇神天皇陵から景行天皇陵に治定変更されました。地区の名を取って「渋谷向山古墳」とも呼ばれています。 東側から伸びる丘陵の尾根を利用した傾斜地に築かれています。前方部を西に向け墳丘は前方部3段、後円部4段築成と考えられています。周濠は10か所の渡堤により階段状に区切られていますが水利目的で改修された可能性があります。埋葬施設については不明ですが後円部の頂部に径42mの平坦面があり複数の埋葬施設の存在が推定されています。築造年代は、出土した土器から4世紀後半とされ崇神天皇陵に続いて造られた大王の墓です。

 

出土遺物は埴輪や土器などしか見つかっていませんが、伝世品としては関西大学所藏の石枕があります。1864年の出土とされ、大王の頭部を飾るのにふさわしい優品です。