50.狭井河よ 雲立ちわたり・・
狭井河よ雲立ち渡り
畝傍山
木の葉騒ぎぬ
風吹かむとす。
古事記・伊須気余理比売
(いすけよりひめ)
歌の意味
狭井川の方からずっと雨雲が
立ち渡り畝傍山では
木の葉がざわめいている。
今に大風が吹こうと
している。
伊須気余理比売
神武天皇の皇后。神武天皇没後、その庶兄手研耳(てざしみみ)は未亡人となった伊須気余理比売に言い寄るのであるが、その時、比売が生んだ三皇子を殺そうとする。この危機を歌をもってそれとなく知らせ、見事に救うのである。