23-3.茂岡に神さび立ちて・・・
茂岡に 神さび立ちて
栄えたる
千代松の樹の 歳の知らなく
万葉集巻6-990 紀朝臣鹿人
歌の意味
跡見(とみ)の茂岡(しげおか)
に神々(こうごう)しくなって栄え
千年もたつとも見える松の木は年
も分からないことである。
紀朝臣鹿人(きのあそん かひと)
紀女郎(きのいらつめ)の父。生没年とも不明。天平九年に正六位上、同十三年に大炊頭(おおいりょう)に任ぜられる。橘諸兄らが活躍し、藤原広嗣(ひろつぐ)の反乱で聖武天皇が恭任京に移った頃に生きた人である。